雪が半端なくて帰宅できなくなったのでオフィスでブログを書いています。

数行のコードで決済機能を導入できる「Yahoo!ウォレットFastPay」

Yahoo!ジャパンやソフトバンク孫さんのように資金力がありながらリスクが取れる企業や経営者の存在は本当にありがたいし、こういうリスクテイカーな人達が市場に及ぼす恩恵は計り知れませんね(この「未定」がもし「無料」じゃなかったら少し残念です)。

以前から感じていたのは、何か大きなビジョンを達成したいと思った時に、最も強力な「味方」になってくれる人達は、実は資本主義のルール上で「競合」と定義されている人達なんじゃないかな?という点です。もし利益で世界一になるのがその企業の最終目標であれば、これは当然おかしな話です。ただ、必ずしもすべての企業がそうとは限らない場合があります。

グラミン銀行の例を見て面白いなと感じたのは、非営利としては成果が出せなかった農村の貧困撲滅活動を、マイクロファイナンスとして利益の出る「ビジネス」として成り立たせ、そのモデルを参考にして世界中の営利法人が参入していった結果、貧困撲滅が実現に近づいたという点です。ビジネスであれば同じ事をする人は「競合」のはずなんですが、このケースだと完全にビジョンを実現する「味方」に変わっています。それはグラミン銀行が「貧困の無い世界を創る」という明確な使命を持ち、これが唯一の存在意義だからなんでしょうね。

どれだけ叫んでもなかなか改善されない社会の問題が、ビジネスとして捉え直すことで、多くの「実質的な協力者(=形式的な競争者)」が得られるこれはひょっとすると色々な形に応用できそうだなと感じていました。

利益を中心に回る資本主義社会では、「確実に儲かる収益機会」か「足場を失う潜在的リスク」に対峙した時に企業が発するエネルギーは凄まじいものがあります。もし起業家がエゴよりもビジョンの実現を優先できるのなら、この資本主義の特性と爆発的なエネルギーを活用して、凄まじいレバレッジをかけながら社会の課題を解決しまくれるのでは?と思いました競争の力学がわかれば、実際は自社以外の世界中のリソースを自由に活用できるということですから、クラウドソーシングの応用系のような気がしますね。クラウドソーシングは不特定多数の人に業務を委託することを指しますが、課題の解決に向けた「協力(競争)」を市場に「委託」してるようなイメージです。

既存の仕組みを再構築するときに最も危険なのは実は社会との摩擦だと思います。影響範囲が広く深いほど自社単独でやろうとするとまず吹き飛ぶ可能性が高い。社会的信用のある大資本を呼び込み社会全体のトレンドにしてしまうのが、実はビジョンを実現する上では一番”勝率”が高いような気がします。この流れなら、2年後に日本では「え、今どき決済手数料ってかかるものなの?」っていう認識がしっかりと「当たり前」になってる気がしますね。

ただ、まだ日本だけなので、これを世界中でモメンタムに変えて「当たり前」にまで昇華させるのが、「SPIKE」の使命だと思っています。さらにその先も。超競争が前提のグローバル資本主義は世知辛いように見えて、「実現したい世界」が具体的にある人にとっては強力なツールになってくれるかもしれません大きな可能性は感じますが、ここらへんはまだ自分でもブラックボックスなことが多いので、世界中で色々試してみて何か分かったらまたこのブログにまとめようかと思います。

経済の「もうひとつの側面」が覗けると思うと個人的にはちょっとワクワクしますね。

ブログを書き終えたら雪が止んでいました。