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テクノロジーで「お金」の在り方を変える

この社会で生きる私達は誰しもがお金(通貨)に影響を受けます。お金は価値を交換する媒介物として作られました。お金が誕生する前は人間は価値を直接交換することで経済を成り立たせていました。いわゆる「交換経済」です。

しかし食料などの物質的な価値は永遠に保存できないですし、歩いて100キロ先まで持ち運べないという意味でも不便でした。 そこで一定のコミュニティで使える「通貨」が作られ価値を効率的に交換していくことが可能になりました。 「貨幣経済」の誕生です。

貨幣経済が世界中に普及するにつれ人類は別の問題に直面するようになりました。 お金が蓄積可能であるという性質は個人の間に格差を生み出し、何世代も受け継がれることで固定化されるようにもなりました。 人類の生活をより豊かにするために生まれた仕組みは、何世紀にもわたって運用されることで今度は逆に人間の行動や思考を縛る道具にもなりました。

この社会で生きる私達人間は生活をするためにお金を稼ぎます。まるでお金を稼ぐことそれ自体が目的であるかのように。 寿命を全うして死ぬその直前まで「お金」という名前のついた紙と金属を積み上げ続けていくことの意味や目的をじっくりと考える時間はなかなか取れません。

私はプロジェクトを通してひとつの課題に取り組んでいます。

それはインターネットというテクノロジーを活用して、私達が日常で使っている「お金」に依存しない経済が実現できるかどうかというテーマです。 お金を介在させずに価値を直接交換する「交換経済」、所有物やスペースを共有しあう「共有経済」、または「仮想通貨」によって成り立つ分散型の貨幣経済など様々なアプローチがあります。

交換経済のデメリットは時間と空間の制限を大きく受けることですが、ネット上では世界中の人々が自分が欲しい価値と提供できる価値をリアルタイムで交換しあい、そこに通貨が介在しなくとも経済を完結させることができます。

また一部のコミュニティで行われていた共同所有・共同利用などの概念は、インターネットを通して効率的かつ大規模に運営されることで経済として機能しつつあります。先進国では既に物質があふれている状況にあり、「利益を増やし続けなければいけない」という資本市場の都合を除けば、大量生産と大量消費を続けなくても人間は生活をする事ができます。

さらにインターネット上ではいくつもの仮想世界やコミュニティが存在し、現在流通している通貨に縛られない独立した経済が成り立ち得ます。そこでは政治体制の違い、人種の違いなどは重要なものではありません。

どの分野でも1つのサービスや主義思想が支配的なシェアをおさめると、進化を止めてしまったり暴走し不利益を生じさせてしまうことは、過去の歴史を見ても明らかです。 選択肢が多数存在していれば抑制と均衡をもたらし、互いに切磋琢磨してより良い形に進化させていくことができます。私はこの世界に復数の経済の選択肢を提示したいと思っています。

お金が経済活動において必須なアイテムでは無くなった時、人間がお金に対して抱く不安・恐怖・焦り等の様々な感情から開放される時が来るかもしれません。 何よりも、多くの人がお金というフィルターを外して人生を見つめ直すことで「自分はなぜ生まれてきて、本当は何がしたいのか?」という本質的なテーマに向き合う契機になるはずです。

かつて電気の発明が人間の生活を一歩前へ進めたように、また医学の進歩が疫病から多くの人を救い、 身分からの解放が個人の一生に多くの可能性をもたらしたように、 「経済」もまだまだ進化の途中であり人類はもっと素晴らしい存在を目指せると信じています。

 

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